コロトン開発コンセプト

打楽器は、叩けば誰でも音が出るという発音構造から一般的に
「演奏が簡単な楽器である」と思われています。
しかし、本当にそうでしょうか。

 

 打楽器は、その発音構造から誰でも簡単に音は出せます。しかし、その反面、音をコントロールすることは大変難しい楽器なのです。
 「打楽器」という楽器自体には、トランペットのピストンやフルートのキー、ピアノの鍵盤のような装置は付いていません。打楽器を演奏するには自分の「腕」や「指」などが「ピストン」や「キー」「鍵盤」の代わりとなり、自分の意思通りの正確な動きができてこそ、思い通りの音が出せる訳です。
 つまり、「腕」や「指」などの身体の動きそのものが打楽器の音列を生み出しており、この動きをスムーズにコントロールできることが、自分が思い描く「音」や音楽表現を生み出す為の技術の根本、そして演奏の再現性となっています。同じ事がバイオリンやギターなどの弦楽器でもいえると思います。
 その音列発生システムである「腕」や「指」などの動きをコントロールできないまま、打楽器を練習して果たして充分な練習結果が得られるのでしょうか。
やれ指が動かない、手首が固い、などといったポイントから始める練習には無駄が多すぎないでしょうか。
 本来、楽器は音を出してメロディやリズム、音楽表現を楽しむものです。しかしながら、打楽器の練習においては、腕や指の運動練習が中心となっている場合が沢山あります。例えて言うならば、料理人が味の研鑽を積むのではなく、毎日毎日キャベツの切り方だけを練習しているようなものです。
 もちろん、楽器を使って腕や指の練習をすることは当たり前のことで否定はしません。演奏を上達する為の、或いは、楽器を楽しむ一つの行為である事も事実です。しかし、楽器を練習する前に、必要な筋力、神経などの「打楽器演奏に必要な身体的コントロール機能」を手軽にトレーニングができていれば、更に早く楽器演奏が上達することは間違いありません。
 私は、長い間、以上のような事を考えていました。そこで、開発されたのが

 

非接触型手中発音共鳴系打楽器練習補助器具
「コロトン」(Call on tone) です。